従来の便器は「フチあり」が主流でした
従来の便器は「ボックスリム形状」と称されるもので、洗浄水を便器鉢内に均一に巡らせるために、便器のフチ(リム)に通水路を設け、その底に開けられた水出し穴から洗浄水を下方に流し出す方式が採用されていました。
しかし、この従来の形状は便器鉢内に水が到達しない部分が存在し、フチ裏にニオイの元となる茶色い尿石汚れが蓄積しやすい構造となっていました。さらに、フチ裏が死角となり、ただでさえ落としにくい尿石汚れのお掃除を更に困難なものにしていたのです。
水の流れを根本から変える「トルネード洗浄」で清掃性を高めた
ボックスリム形状の便器が抱える清掃性の問題を解消するためには、フチ裏の死角を排除し、洗浄水の流れを根本的に改革する必要がありました。その結果として、洗浄水が渦巻くように便器鉢内を流れる「トルネード洗浄」という洗浄方式が2002年に誕生したのです。
この洗浄方式は、吐水口から水平方向へ強力に水を放出し、便器鉢内を効率的に洗浄する仕組みを採用しています。トルネード洗浄の導入により、フチ裏に穴を開けて水を流す必要がなくなり、便器はフチなし形状へと進化しました。
フチなし形状がもたらす衛生的なメリット
TOTOのフチなしトイレの最大の特徴は、その名前が示す通り、その形状にあります。便器鉢内のフチを完全に取り除くことで、従来の便器に存在したフチ裏の死角が消え、陶器に黄ばみや黒ずみや茶色い汚れ、カビや尿石などが隠れる場所がなくなりました。これにより、衛生的なトイレ空間を維持しやすくなったのです。
フチが存在しないため、清掃時に便器鉢内の隅々まで手軽に掃除が可能となり、時間と労力の節約につながります。これは、大きなメリットであり、トイレの清掃性と日常生活の快適性の両方を向上させる重要な一歩にもなりました。
ウォシュレット「アプリコット」とのうれしい相乗効果
ウォシュレットの最上級グレードであるアプリコットは、「フチなしウォシュレット」という特許3894458を保有した機能を備えています。便器の形状に合わせてデザインされた温水洗浄便座は、清掃時に便器の内側をぐるっとひとふきでお掃除可能です。 フチなし形状の便器と、アプリコットのフチなしウォシュレットの組み合わせは、この点で相乗効果を発揮します。
ウォシュレットのフチがないことによるスマートな外観は、清潔さを維持しやすいだけでなく、トイレ空間をより洗練された雰囲気へと導きます。ビジネスの場であれば、訪問者に対して良好な印象を与え、快適な使用感を提供することで、企業の信頼性を高める一助にもなるでしょう。
毎日使うトイレだからこそ、細部へのこだわりが快適な生活を送る上で非常に重要なのです。
対応商品ラインナップ
TOTOのフチなし形状便器は、多様な商品ラインナップで提供されています。
タンクレストイレでは「ネオレストNX/LS/AS/RS」があり、ウォシュレット一体型便器では「GG/GG-800」、組み合わせ便器では「ピュアレストEX/QR/MR」などのモデルもフチなし形状を採用しており、 用途やお好みに応じて選べる多彩なバリエーションが展開されています。
尚、機種によってフチの形状が異なりますので、詳細はTOTOのカタログ等をご覧ください。
また、他メーカー製の当店取り扱い商品では、LIXIL(リクシル)が展開する「フチレス形状」があり、TOTOのフチなし形状と同等の機能になります。LIXILのフチレス形状便器には「サティスS」「アメージュ便器」「プレアスLS」があります。
さらに、Panasonic(パナソニック)の「アラウーノL150/S160/V」では「ひとふき形状」という機能がありますので、こちらもご覧いただくことをおすすめします。
フチなし形状の便器で衛生的な暮らしを
今回は、TOTOのフチなし形状についてご紹介しました。フチなし設計によるお手入れのしやすさと衛生的な利点は、日々の生活を豊かにし、トイレ空間を快適なものに変えてくれます。トイレのリフォームや便器の交換を検討している方は、フチなしトイレの導入をご検討いただければと思います。