ガス給湯器の異音の種類・原因について
ここではガス給湯器から出る「正常な音」と「不具合の可能性のある音」をそれぞれ5つずつご紹介いたします。
ガス給湯器の正常な5つのうなり音
ガス給湯器の正常な5つのうなり音は次の通りです。
1.「ブーン」
給湯器内部のファンモーターの回転音となり、出湯開始から発せられる正常な作動音です。ファンモーターは運転を中止しても、再使用時の温度を安定させるために3~5分程作動し続ける仕様なので、問題ありません。
2.「クックックー」
こちらも正常なモーターの作動音です。給湯栓(蛇口)の開け閉めを行った時に聞こえてきます。ファンモーターと同様に、再使用時に備えてモーターが作動しているため、停止後もしばらく発せられる正常な作動音です。
3.「グワン」「ウーン」
給湯器の循環ポンプの作動音です。循環ポンプは以下のような状況で作動します。
- ・お湯を張る時
- ・追い焚き終了時
- ・残り湯のチェック時
- ・低水温時の凍結防止
上記の様な音は正常な作動音であり故障ではないため、安心してガス給湯器をご使用ください。
4.「ジュージュー」
燃焼ガスに含まれる水分が熱交換器の影響で結露して、遮熱板に落ちた水が蒸発している音なので、問題ありません。
5.「ピヨピヨ」
僅かに聞こえる時があるこのような音は、給湯器の作動音です。電源が入っている場合に聞こえます。
以上ご紹介いたしました5つの音がガス給湯器の正常な音なので、一度確認してみましょう。
ガス給湯器の不具合の可能性のある5つのうなり音
ここからご紹介する5つのうなり音につきましてはガス給湯器の不具合の可能性がある異常のサインとなる異音です。
1.「ピーピー」
笛の音に近い音です。空気とガスのバランスや燃焼状態に問題がある場合や、ファンモーターに不具合が起きている可能性が考えられます。
2.「ゴーッ」
ガス給湯器を使用している時に、吸排気口からこのような音が聞こえることがあります。原因としては、強風等により給湯器の内部にゴミやほこりなどの異物が混入したり、虫、ネズミ等が入り込んでいる可能性が考えられます。
放置しておくと十分な給排気が確保できず、不完全燃焼の原因にもなります。
3.「ポコンポコン」
風呂釜、循環パイプの勾配、熱交換器等に問題があると「ポコンポコン」という音がします。
別名「釜鳴り」と呼ばれる現象となります。
4.「キーン」
給湯栓(蛇口)を閉めた後、主に配管から「キーン」という共鳴音がする場合があります。これは「ウォーターハンマー現象」と呼ばれるもので、バルブの急速な開閉により配管内の流れる水のスピードが急激に変化し、配管内の圧力が上昇・下降して大きな衝撃が発生する現象のことを指します。
ウォーターハンマー現象を放置していると、給湯器のセンサー類の故障や水道管の破裂に繋がります。
5.「ボンッ」
最も注意しなければならない音です。給湯器内部部品が経年劣化等により作動時に爆発的な着火を引き起こした時に発せられる音となります。この場合ガス漏れもしくは不完全燃焼が起きている可能性高いです。音がした後にガスの臭いがした場合は非常に高い確率でガス漏れが起きています。
ガス給湯器から異音が出た際の対処法
ガス給湯器から異音の確認が取れ次第、対処する必要があります。
ガス給湯器の不具合は一酸化炭素中毒や火災等の重大な事故につながる恐れがあり大変危険な為、放置せずここからご紹介する5つの対処法を1つずつ行っていきましょう。
ガス給湯器の異音の対処法①:リモコンのエラーコードの確認
異音がした給湯器のリモコンにエラーコードが表示されている時には、取扱説明書に記載されている方法を取れば改善することもあります。
エラーが直らない、電源ランプや燃焼ランプがつかない、点滅しているといった症状が続く場合は、フィルターやバルブ、給水栓金具等に何らかの問題が起きていると考えられます。
修理を依頼する際に重要な手がかりになります。
下記にてノーリツ・リンナイの給湯器のエラーコード一覧をご紹介させていただいておりますので、そちらもあわせてご確認ください。
ノーリツ給湯器エラーコード一覧
リンナイ給湯器エラーコード一覧
ガス給湯器の異音の対処法②:ガスの臭いがするかを確認
給湯栓、給水栓、ガス栓を完全に締めてから、ガスが漏れていないか臭いで確認して下さい。臭いがした場合はガス漏れや不完全燃焼の可能性があり、無理に使い続けると爆発してしまう恐れや一酸化中毒を引き起こす危険性もあります。かなり危険な状態なので、使用を中止して下さい。
ガス給湯器の異音の対処法③:排気口・排気管を確認
掃除やメンテナンスが行き届いていないのが原因で異音が発生することもあります。排気口や排気筒が汚れやホコリで詰まってしまうと、上手く排気できず異音の原因となります。
給湯器を屋内に設置している場合は燃焼した排ガスが室内に漏れ、一酸化炭素中毒事故になる可能性もあります。普段から排気口や排気筒、排気管を点検するのはもちろん、異音がした際にもチェックしてみましょう。
ガス給湯器の異音の対処法④:うなり音が鳴るタイミングを確認
給湯器から「どんな時に」うなり音が鳴るかを確認しましょう。ほとんどの音は、以下のようなタイミングで聞こえることが多いようです。
- ・電源を入れて運転を始めた時
- ・給湯器の運転中
- ・運転を止めた時
- ・運転を始めてから止めるまで継続的に続く
ガス給湯器は音を発するものとなりますが、いつもとは違うタイミングで発せられる音はガス給湯器の不具合が考えられます。
故障の場合はメーカーや業者へ連絡
上記でご紹介の対処法を踏まえた上でガス給湯器から異音が発せられる場合、ガス給湯器が故障した旨の連絡をします。賃貸住宅にお住まいの方は大家さんやオーナー、管理会社を通じて連絡します。基本的には無料交換です。
持ち家の方は契約しているガス会社や給湯器を購入したメーカー、給湯器修理業者のいずれかになります。対応は迅速ですが、修理費用は実費となります。
異音の原因がガス給湯器本体の場合は交換を検討しよう
異音の原因がガス給湯器本体の場合は、経年劣化や寿命による交換時期が来ていることも多いようです。ガス給湯器本体の寿命は10年程度に設定され、8年を超過すると様々な部品が故障してくるといわれている為、メーカーや専門業者と相談し買い換えを検討するのもいいかもしれませんね。