ガス給湯器の選び方①:設置場所を確認後、取替品を決める
ガス給湯器にはガスを燃焼させるための給気・排気をどの様に扱うか等の違いで設置場所に合わせた仕様がそれぞれラインナップされており、それら仕様が同一のガス給湯器に取り替える【素取り替え】が一般的となっております。したがいましてガス給湯器はご選定の際はまず「ガス給湯器がどこに設置されているか」で絞っていくことになります。ここではマンションをはじめとする集合住宅のガス給湯器の設置場所について詳しくご紹介いたします。
集合住宅の設置法式は「PS設置型」「ベランダ設置型」「屋内設置型」の三種
マンションなど集合住宅のガス給湯器設置場所には「PS(パイプスペース・パイプシャフト)設置型」「ベランダ設置型」「屋内設置型」の三種類があります。マンションなどの集合住宅の場合、この三種類のどこかにガス給湯器が設置されている事になります。ここからはそれぞれについてご紹介いたします。
①PS(パイプスペース・パイプシャフト)設置されている場合
PSとは、「パイプスペース」や「パイプシャフト」の略となっており、マンションやアパート等の集合住宅の玄関脇にあるガス給湯器を設置する場所のことを指します。この「PS」という名称が付いたガス給湯器は多数あり、PS標準設置・PSアルコーブ設置・PS扉内設置前方排気・PS扉内設置後方排気・PS扉内給排気延長・壁組み込み設置・バスイング・屋外壁掛け/強制排気形(FF)、強制排気形(FE)等のタイプがあります。
PS標準設置形
マンション等集合住宅の玄関脇にあるパイプスペース(PS)と呼ばれる場所に機器を設置する形になります。PS設置タイプの特徴は、設置する給湯器のサイズが限定されることです。PS設置の場合、設置する場所のスペースが給湯器選びの際にとても重要です。設置スペースより小さい給湯器を設置する場合は、そのスペース・隙間を埋めるためにアダプターと呼ばれるものを別途設置する必要があります。機器本体が外から見えるような形になります。
PSアルコーブ設置型
マンション等集合住宅の玄関脇にあるパイプスペース(PS)と呼ばれる場所に機器を設置し、排気を側方に排出する形になります。ベランダ設置でも設置場所の関係から、同タイプの機器を設置する場合もあります。
PS扉内設置(PS前方排気形)
マンション等集合住宅の玄関脇にあるパイプスペース(PS)に機器を設置し、排気口から排気を前方に排出する形になります。機器本体が外から見えないような形になります。ベランダ設置でも設置場所の関係から、同タイプの機器を設置する場合もあります。
PS扉内設置(PS前方排気延長形)
マンション等集合住宅の玄関脇にあるパイプスペース(PS)に機器を設置し、排気を前方に排出する形になります。一般的に機器本体が外から見えないような形になります。
PS扉内後方排気延長設置形
マンション等集合住宅の玄関脇にあるパイプスペース(PS)に機器を設置し、排気を後方に排出する形になります。一般的に機器本体が外から見えないような形になります。
PS扉内上方排気延長設置形
マンション等集合住宅の玄関脇にあるパイプスペース(PS)に機器を設置し、排気を上方に排出する形になります。一般的に機器本体が外から見えないような形になります。
PS扉内給排気延長形
FF式とも呼ばれ、マンション等集合住宅の玄関脇にあるパイプスペース(PS)に機器を設置し、給気及び排気をパイプシャフト外から行う形になります。
②ベランダに設置されている場合
PS等のガス給湯器を設置する場所が無い場合であればベランダやバルコニーの外壁等に直接固定設置されていたり、直接据置設置されているのが一般的となります。その場合に設置されているのは壁掛型や据置型の設置フリー形のガス給湯器となります。
屋外壁掛形
一軒家などの戸建住宅の屋外の壁や、マンションや集合住宅などのベランダなどの壁に機器を設置する形になります。特徴は、給湯器の下から配管が出ています。配管を隠す「配管カバー」や、地面に設置する「据置台」にが取付けされている場合もあります。戸建住宅、マンション、両方に設置可能です。
屋外据置形
一軒家などの戸建住宅の屋外に、地面や石のブロックの上に設置・取り付けができます。特徴は、配管が給湯器の側面から出ていることです。
③屋内に設置されている場合
ガス給湯器が屋内に設置されている場合は、洗面所などの壁面に掛けられていたり、浴槽の隣に据置くように設置されているのが一般的となっており、それぞれ壁掛型・浴室据置型とよばれています。
壁掛型
屋内壁掛型を設置する場合には、排気口が人よりも高い位置に設置できるようにしなければ非常に危険な為、排気口が高い所に設置されています。
屋内壁掛/強制給排気形(FF)
屋内に機器を設置し、屋外の空気を給気し、排気も屋外に出すタイプの機器になります。
屋内壁掛/強制排気形(FE)
屋内の壁面に機器を設置し、屋内の空気を使って燃焼させ、排気を強制的に屋外に出すタイプの機器になります。
浴室据置型
屋内据置型の場合は浴室内設置バランス形に代表されるように浴槽の横に並べて使う設計になっているため、必ず浴槽の真横にレイアウトする必要があります。尚、浴室据置型には上記のバランスふろがまからの取替え可能な壁に貫通させて設置し、従来のバランス風呂釜に比べ浴室を広々と使える外壁貫通形給湯器もございます。
浴室内設置バランス形
浴室内の浴槽と並べて据置設置する形態になります。バランス型風呂釜もしくはバランス釜とも呼ばれ、浴槽の穴は2つ穴になります。
外壁貫通設置形
壁の中に給湯機器を設置して、広い浴槽を設置できるタイプの機器になります。メーカーによって、「ホールインワン」「バスイング」「カベピタ」「パックイン」など様々な呼び方があります。
ガス給湯器の選び方②:世帯人数に応じた号数選びをする
ガス給湯器の「号数」も選ぶ際には重要な部分です。エアコンと同じく、ガス給湯器にもある程度の出湯量目安があり、それを示す単位が号数となります。
号数の基準は「水温+25℃のお湯を1分間に何リットル出すことができるか」を表しており、一般家庭で使われているのは主に16・20・24号の3種類となります。
それぞれの給湯量目安といたしましては
・16号:シャワーを使っていると、他の箇所でお湯の使用ができない
・20号:シャワー+1箇所でお湯が使用できる
・24号:シャワー+2箇所でお湯を使用できる
といった形で給湯器の号数が上がるにつれ出湯能力も上がり、複数の場所でお湯を出すことができます。
キッチン・シャワーなど同時にお湯を使うことが多いご家庭の場合は、大きい号数を選びましょう。
反対に、生活時間が違うためお湯を使うタイミングがバラバラなご家庭は小さめの号数でも問題ありません。
号数による本体価格の差は2~3万円程度となります。
また、シャワーを使う時に水圧を安定させたい方や、お湯になるのに時間がかかるのが嫌な場合は24号を選んでおくと安心です。
尚、屋内設置型給湯器に関しましては、上記に加え主に台所で使用する瞬間湯沸かし器等に代表される5号や浴室の壁を貫通させて設置する壁貫通型給湯器に代表される8.2号などの展開が御座います。
この様に号数が上がるにつれ出湯能力も上がる形となりますが、集合住宅の場合は既設ガス給湯器と同じ号数の給湯器に取り替えるのが原則となります。
もし、取替品のガス給湯器の号数を上げたい場合、管理会社に確認する必要があります。
ガス給湯器の選び方③:オートタイプ or フルオートタイプを選ぶ
給湯器にはオートタイプとフルオートタイプの2種類のタイプが御座います。
オートタイプ給湯器
●お湯はり
リモコンのふろ自動をおすとお好みの設定温度で設定湯量まで自動的にお湯はりを行います。
●追い炊き(保温)
浴槽の湯温をチェックし、温度が下がると自動で追い焚きを開始。設定温度で自動保温します。(自動保温の設定はOFFにする事ができます。)
●たし湯機能
お湯が減った場合は、手動でボタンを押して、たし湯をします。
フルオートタイプ給湯器
●お湯はり
リモコンのふろ自動をおすとお好みの設定温度で設定湯量まで自動的にお湯はりを行います。
●追い炊き(保温)
浴槽の湯温をチェックし、温度が下がると自動で追い焚きを開始。設定温度で自動保温します。(自動保温の設定はOFFにする事ができます。)
●たし湯機能
設定湯量より3~4cm水位が下がると自動的にたし湯を行い湯量をキープ!
●追い炊き配管自動洗浄機能
●入浴検知による自動追い炊き機能
●設定水位までの自動調整機能
フルオートからオート・オートからフルオートに交換するときの注意点
- フルオートは、残り湯がある状態でお風呂を沸かした場合、設定された水位で自動的に調整されます。(オートでは調整されずにお湯が溢れることがあります。)
- フルオートは、設定湯量より水位が下がると自動的にたし湯を行い湯量をキープ!出来ます。(オートでは手動でボタンを押して、たし湯をします。)
- フルオートは浴槽のお湯を捨てる際に、新しいいきれいなお湯で追い炊き配管内を自動で洗浄してくれるかの機能があります。(オートはそのような機能は有りません)
フルオートタイプは上記機能を備えたものとなり、オートタイプはそれら機能を省いた追い炊き機能に特化したものとなります。
オートタイプはフルオートタイプに比べて、機能の少ないため本体価格や毎月の光熱費が安く済むため、少しでも値段を抑えたいという場合はオートタイプを、機能面を充実させたい方はフルオートタイプを検討するのも良いでしょう。
尚、フルオートタイプからオートタイプに交換する際は、機能面が低下することになる為、そちらを踏まえご検討ください。
ガス給湯器の選び方③:オートタイプ or フルオートタイプを選ぶ
給湯器にはオートタイプとフルオートタイプの2種類のタイプが御座います。
オートタイプ給湯器
●お湯はり
リモコンのふろ自動をおすとお好みの設定温度で設定湯量まで自動的にお湯はりを行います。
●追い炊き(保温)
浴槽の湯温をチェックし、温度が下がると自動で追い焚きを開始。設定温度で自動保温します。(自動保温の設定はOFFにする事ができます。)
●たし湯機能
お湯が減った場合は、手動でボタンを押して、たし湯をします。
フルオートタイプ給湯器
●お湯はり
リモコンのふろ自動をおすとお好みの設定温度で設定湯量まで自動的にお湯はりを行います。
●追い炊き(保温)
浴槽の湯温をチェックし、温度が下がると自動で追い焚きを開始。設定温度で自動保温します。(自動保温の設定はOFFにする事ができます。)
●たし湯機能
設定湯量より3~4cm水位が下がると自動的にたし湯を行い湯量をキープ!
●追い炊き配管自動洗浄機能
●入浴検知による自動追い炊き機能
●設定水位までの自動調整機能
フルオートからオート・オートからフルオートに交換するときの注意点
- ・フルオートは、残り湯がある状態でお風呂を沸かした場合、設定された水位で自動的に調整されます。(オートでは調整されずにお湯が溢れることがあります。)
- ・フルオートは、設定湯量より水位が下がると自動的にたし湯を行い湯量をキープ!出来ます。(オートでは手動でボタンを押して、たし湯をします。)
- ・フルオートは浴槽のお湯を捨てる際に、新しいいきれいなお湯で追い炊き配管内を自動で洗浄してくれるかの機能があります。(オートはそのような機能は有りません)
フルオートタイプは上記機能を備えたものとなり、オートタイプはそれら機能を省いた追い炊き機能に特化したものとなります。
オートタイプはフルオートタイプに比べて、機能の少ないため本体価格や毎月の光熱費が安く済むため、少しでも値段を抑えたいという場合はオートタイプを、機能面を充実させたい方はフルオートタイプを検討するのも良いでしょう。
尚、フルオートタイプからオートタイプに交換する際は、機能面が低下することになる為、そちらを踏まえご検討ください。
ガス給湯器の選び方④:従来タイプ or エコジョーズを選ぶ
「エコジョーズ」とは、従来のガス給湯器よりも効率的なガス給湯システム全般のことを呼びます。排熱を上手に活用しているため、熱効率は従来のガス給湯器に比べて15%の向上が見られます。暖房機能を使う場合でも、エコジョーズは熱効率が4%アップしており、ガスの消費量を減らすことで、ガス料金の節約ができ、CO2排出量を減らすため家庭と環境にやさしい給湯システムといえます。具体的には従来の給湯器からエコジョーズに交換した場合であれば、約10%~15%のガス消費量を約10%~15%のガス消費量を抑える事が出来、ガス料金も同様に節約できることになります。さらにエコジョーズは給湯器の使用頻度が高いご家庭程、削減効果が高くなる傾向がある為、ご家族がたくさんいらっしゃるようなご家庭でのエコジョーズ導入の節約効果もやはり高くなります。 下記にてエコジョーズに変えた場合、年間で約1万円のガス代を節約できると想定したシミュレーションをご案内させていただいておりますのでぜひご参考ください。
従来型(一般型)給湯器 | エコジョーズ給湯器 | |
---|---|---|
仕組み 排気量の違い | ||
特徴 | ■従来からの標準的なタイプ。200℃の燃焼ガスが排出される。 ■本体価格が安く初期費用を抑えられる。 |
■一般型よりも熱効率が高く、ガス使用量・CO2排出量を10%~15%程削減できる省エネタイプ。 ■本体価格は高いものの、消費ガスの量が少ないため、ランニングコストが安いのが特長。 |
初期費用 | 約170,000円(税込)+工事費 [20号オートタイプ] |
約182,000円(税込)+工事費 [20号オートタイプ] |
年間ガス料金 | 約152,000円(税込) [都市ガスで4人家族の場合] |
約126,100円(税込) [都市ガスで4人家族の場合] |
注意点 | - | ドレン排水の配管工事が必要 |
商品ページ | GT-2070SAW BL | GT-C2072SAW BL |
しかし、そんなエコジョーズにもいくつかデメリットはあります。デメリットの一つとして普通のガス給湯器との本体価格差が2万円前後ある事や、ドレン排水の工事が必要な事など導入費用(イニシャルコスト)が高いという点が挙げられます。
しかし、長い目で見たコスト(ランニングコスト)でチェックすると、イニシャルコストは回収できます。ガス給湯器は10年近く使うものですので、できるだけエコジョーズを選んだ方が後々お得になってくるといえます。
まとめ
ガス給湯器の選び方で抑えておきたい4つのポイントをご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
基本的にガス給湯器の寿命は10年程度といわれており、非常に長い付き合いとなる機器の1つです。
ご自身のライフスタイルに合わせたガス給湯器を選ぶことで、光熱費の節約や快適さにも繋がっていきます。長い付き合いをするガス給湯器だからこそ慎重に選んでいただきたいと考えております。そのため、ガス給湯器をお選びいただく際は本記事を参考にして下さると幸いです。
当店では一流メーカーの様々なガス給湯器を卸価格で取り扱っておりますので、ご満足いただけるガス給湯器が見つかるでしょう。ガス給湯器のお取替え品をご検討の際は、下記にてご案内の一覧ページをご参考頂ければ幸いです。
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